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冬の終わりが近づくころ、「最近、抜け毛が増えた気がする」「シャンプーのたびにごっそり抜けて不安になる」と感じる方がぐっと増えます。

男女問わずサロンでもよくご相談をいただくのですが、多くの方が真っ先に口にされるのが「これって薄毛の始まりですか?」という言葉です。

結論からお伝えすると、冬の終わりに増える抜け毛の多くは”季節性”によるものであり、一時的なものである可能性がとても高いです。

とはいえ、「一時的なものだから大丈夫」と放置するのも正しい対応ではありません。正しい原因を理解し、この時期だからこそ必要なケアをきちんと実践することが大切です。

今回は、美容師として日々お客様の頭皮や髪と向き合っている立場から、冬の終わりに抜け毛が増える原因、やってはいけない間違ったケア、そして正しいケアの時期と具体的な方法を、できるだけわかりやすくお伝えします。抜け毛への不安を解消し、これからの季節を前向きな気持ちで過ごすためのヒントになれば幸いです。


季節性抜け毛ってどういうこと?まずはヘアサイクルを知ろう

抜け毛の話をする前に、まず知っておきたいのが「ヘアサイクル(毛周期)」という概念です。

髪の毛は、成長期・退行期・休止期という3つのサイクルを繰り返しながら生きています。成長期は数年かけてぐんぐん伸びる時期、退行期は成長が止まってゆっくりと衰えていく時期、そして休止期は毛根が眠っている状態で自然に抜け落ちるのを待っている状態です。

健康な状態でも1日に50〜100本ほど抜けるのは自然なことで、これはこのサイクルが正常に機能しているサインでもあります。問題なのは、このサイクルが乱れて休止期に入る毛が一気に増えてしまうケースです。

季節の変わり目、とくに冬の終わりから春にかけては、まさにそれが起きやすい時期なのです。


冬の終わりに抜け毛が増える3つの原因

では、なぜこの時期に抜け毛が増えるのでしょうか?代表的な原因を3つに整理してお伝えします。

原因1:冬の間に積み重なった血行不良

寒い季節は全身の血管が収縮し、血流が低下しやすくなります。これは体温を守るための自然な反応ですが、頭皮にとっては栄養が届きにくくなるという問題が生じます。

毛根は血液を通じて酸素や栄養を受け取っており、その供給が滞ると休止期に入る毛が増えていきます。冬の間じわじわと蓄積されたこの影響が、春の入り口となる冬の終わりに一気に表れることが多いのです。「突然増えた」と感じる方も多いですが、実は冬の間からじっくりと準備されていた変化が出てきているイメージです。

原因2:乾燥による頭皮ダメージの蓄積

冬は空気が乾燥し、頭皮も同様に乾燥しやすい環境です。潤いを失った頭皮はバリア機能が低下し、外的刺激に対して敏感な状態になります。かゆみや炎症が起きやすく、それが毛根のダメージにもつながります。

加えて、暖房で室内の湿度がさらに低くなるため、屋内にいる時間が長い冬は乾燥ダメージを受け続けているともいえます。そのダメージが季節の変わり目に抜け毛として現れるのは、理にかなった流れでもあります。

原因3:自律神経の乱れとホルモンバランスの変化

年度末の忙しさ、環境の変化、生活リズムの乱れ。2〜3月はただでさえストレスが増えやすい時期です。自律神経が乱れると、血行や皮脂分泌のバランスが崩れ、頭皮環境にも影響が出てきます。

自律神経は「交感神経」と「副交感神経」の2つが体内でバランスを保いながら働いています。ストレスや睡眠不足が続くと交感神経が優位になりすぎてしまい、毛細血管が収縮して頭皮への栄養供給が滞ります。これが続くと、毛根の活動力が低下し、成長期が短縮されて抜け毛が増える要因となります。

また、春に向けて体内のホルモンバランスが変化することも、抜け毛に影響することがわかっています。特に女性の場合は、月経周期や更年期の変化なども重なることがあり、よりデリケートな時期といえます。「なんとなく心が疲れている」と感じる日が増えたなら、それ自体が頭皮からのサインかもしれません。


季節性?それとも注意が必要?見極めのポイント

抜け毛が増えたとき、「これは一時的なものなのか、それとも何かサインなのか」を知ることがとても大切です。

一時的な季節性抜け毛である可能性が高いケースとしては、抜け毛が2〜3か月以内に自然に落ち着いてくること、抜けた毛の根元に白い丸い膨らみ(毛根)がついていること、地肌が急に透けて見えるわけではないことなどが挙げられます。

毛根の白い膨らみは「毛球部」と呼ばれるもので、これがしっかりついているうちはヘアサイクルが正常に機能しているサインです。逆に、毛根がなく細くてヨレヨレとした毛ばかりが抜ける場合は、毛根自体が弱まっている可能性があります。

一方で、半年以上続く場合、細くて短い毛ばかりが抜けている場合、急激に分け目が広がってきた場合は、皮膚科や専門クリニックへの相談も視野に入れていただくことをおすすめします。

大切なのは「過度に怖がらないこと」と「放置しないこと」のバランスをとることです。


やりがちだけど逆効果!間違ったケアに注意

不安を感じると、つい「なんとかしなければ」という気持ちから過剰なケアに走りがちです。しかし、それが頭皮にとっての逆効果になることも少なくありません。

よくある間違いの一つが、「ゴシゴシと強く洗う」ことです。しっかり洗えば良いという感覚から爪を立てて洗う方も多いですが、これは頭皮を傷つけて炎症を悪化させる原因になります。抜け毛が増えている時期こそ、指の腹で優しく洗うことが正解です。

次に多いのが「洗浄力の強いシャンプーに変える」こと。脂っぽさや不清潔感を感じてスッキリ洗い流したくなる気持ちはよくわかります。しかし洗浄力が強すぎると、頭皮に必要な皮脂まで奪い取ってしまい、かえって乾燥と炎症を引き起こします。低刺激でアミノ酸系のシャンプーを選ぶのがおすすめです。

また「1日に何度も洗う」のも頭皮のバリア機能を壊してしまうのでNGです。基本は1日1回、ただし汗をかいた日などは2回でも構いません。洗いすぎず、洗わなさすぎず、のバランスを意識してください。

さらに「急に高額な育毛剤を試し始める」方もいますが、原因が季節性であれば効果を実感しにくいことも多く、まずは基本的な頭皮ケアを整えることを優先するほうが賢明です。


美容師がすすめる正しいケアの時期と進め方

抜け毛対策で最も効果的なのは、実は「冬の間」から始めることです。血行促進と保湿を意識した頭皮ケアを12〜2月の間に継続できていると、冬の終わりの抜け毛ピークをゆるやかに乗り越えやすくなります。

しかし、すでに抜け毛が増えてきているこのタイミングからでも、決して遅くはありません。今は「頭皮環境をリセットし、整える時期」と捉えてください。3〜4月は冬ダメージのリカバリーに集中し、頭皮の油分・水分バランスを取り戻すことを意識しましょう。

そして5月以降は、紫外線という新たな敵が登場します。UV対策は肌だけでなく頭皮にも必要で、紫外線を浴びた頭皮は酸化が進み、毛根へのダメージが蓄積されます。帽子の活用や日焼け止め成分入りのヘアミストを使うことを、この時期から意識しておくと安心です。

季節の流れを意識しながら、その時期に必要なケアを重ねていくことが、長期的な頭皮の健康につながります。「今何をすべきか」を知っていることが、最大の安心感にもなります。


今日からすぐできる具体的なセルフケア

特別な道具がなくても始められるケアを5つご紹介します。

1. 頭皮マッサージ(1日3分から) 指の腹を使い、頭皮全体をゆっくり動かすように円を描きます。血行促進が目的なので、痛みを感じるほどの強さは逆効果です。お風呂の中で行うと、温熱効果もプラスされてより効果的です。

2. ぬるめのお湯で丁寧に洗う 38度前後が理想の温度です。熱いお湯は皮脂を取りすぎて乾燥を招くので注意してください。シャンプー前のすすぎ(プレシャンプー)を2分以上かけてしっかり行うと、洗浄効果も高まります。

3. 洗髪後はしっかり乾かす 自然乾燥は頭皮に雑菌が繁殖しやすくなり、炎症の原因になることがあります。タオルで軽く水気を取り、ドライヤーで根元からしっかり乾かしましょう。仕上げに冷風を当てると、キューティクルが締まりツヤも出ます。

4. 睡眠の質を整える 髪の成長に関わる成長ホルモンは、睡眠中に多く分泌されます。就寝の1〜2時間前からスマートフォンの画面を見る時間を減らし、部屋の照明を暗めにするだけでも睡眠の質が変わります。

5. 食事で内側からケアする 髪の主成分であるケラチンはたんぱく質から作られます。加えて、亜鉛(牡蠣・ナッツ類)、鉄分(赤身肉・ほうれん草)、ビタミンB群(卵・納豆)を意識的に摂ることが頭皮環境の改善につながります。サプリメントで補うのも一つの方法です。


プロのサロンケアを取り入れるという選択肢

自宅でのセルフケアも大切ですが、頭皮の状態は自分では見えない部分が多く、独力で判断することには限界もあります。

サロンでは、個々の頭皮に合わせた具体的なアドバイスが可能です。「自分の頭皮がどんな状態なのか」を知るだけでも、不安が和らぐことは多いものです。

IYOHKでは、通常のシャンプー技術に加え、水素吸入といった、予防医療と美容を掛け合わせたメニューもご用意しています。水素吸入は抗酸化作用が注目されており、頭皮環境の改善をサポートする可能性が期待されています。

サロンという場でしっかりとリラックスできること自体が、自律神経の乱れからくる抜け毛対策にもなります。心身の緊張がほぐれることで、頭皮の血行が自然と改善されることもあるからです。

当店では、パーマやカラーの待ち時間には専門店のコーヒーやクッキーもご用意しており、ゆったりとした「豊かな時間」を感じていただけるよう、細部にまでこだわっています。

抜け毛が気になり始めた今こそ、プロの視点を借りて自分の頭皮と向き合うチャンスかもしれません。


まとめ:「知らないから怖い」を「知っているから大丈夫」に

冬の終わりに抜け毛が増えるのは、多くの場合、体の自然なリズムの一部です。冬の寒さによる血行不良、乾燥による頭皮ダメージ、自律神経の乱れ——これらが積み重なって、季節の変わり目に表れてくるのです。

大切なのは、正しい知識を持って適切に対処することです。怖がって触れすぎず、かといって放置もせず、今この時期に合ったケアをコツコツと続けることが、髪と頭皮の健康を守ることに直結します。

自宅でできることとしては、頭皮マッサージ、ぬるめのお湯での洗髪、しっかりとした乾燥、睡眠の確保、栄養バランスの改善の5つが基本です。そしてセルフケアに限界を感じたり、プロの視点が欲しくなったときには、サロンケアも積極的に活用してください。

私たちIYOHKは、髪を整えるだけでなく、皆さまが過ごす時間そのものを豊かなものにしたいと考えています。抜け毛のお悩みも、遠慮なくご相談ください。あなたの髪と頭皮が、これからもずっと健やかでいられるよう、一緒に向き合っていきます。

季節の変わり目を、前向きな変化のきっかけにしていきましょう。

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